
片方だけ残った靴下を結んで愛犬の前に置いてきた、帰りの電車で届いたのは2つの結び目の写真
コラム
足もとに置かれたピンク色のおもちゃ
次の休み、彼の部屋のチャイムを押すと、ドアの向こうから床を蹴る爪の音が近づいてきました。飛び出してきたあの子が、くわえていたおもちゃを私の足もとに落とします。
拾い上げて裏返すと、結び目の先に、かかとの形が残っていました。片方だけ見つからないまま、家の引き出しにしまってある靴下と同じ柄です。
「このおもちゃ、どうしたの?」
「それ、君の靴下。ソファの下から出てきてから、こいつが離さなくて」
彼は少し笑って、アヒルはソファの隅で寝てるよ、と付け足しました。
「写真のとき、言ってくれればよかったのに」
「忙しそうだったから、会いたいって言いにくくて」
足もとでは、あの子がおもちゃを返してもらうのを待って、尻尾を振っています。誰かの影を探していた数日間のことは、口にしないことにしました。しゃがみ込んで、靴下のおもちゃをあの子の前に差し出しました。
そして...
家に帰ってから、引き出しに残っていた片方の靴下を取り出しました。次に彼の部屋へ行った日、それを固く結んで、あの子の前に置いてきました。帰りの電車で届いた写真には、ラグの上に並んだ2つの結び目と、その間で寝ているあの子が写っていました。
(20代女性・広告代理店勤務)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























