
私に黙って車を売った夫。買い手の友人が駐車場で口にした「あいつ、許可は取ったって言ってたのに」
コラム
友人のアパートの駐車場で
次の日、夫の友人が住むアパートの駐車場で、見慣れた軽自動車を見つけました。運転席の横には、知らないスマホホルダーが付いています。
私が経緯を話すと、夫の友人はしばらく車の屋根に手を置いたまま黙っていました。
「あいつ、許可は取ったって言ってたのに」
封筒を差し出すと、夫の友人はスマホホルダーを外してから、鍵を返してくれました。
「さすがに、車を勝手に売るのはやりすぎだろ」
シートを自分の位置まで戻しながら、思い出したことがありました。玄関に置いていた私の傘が、いつの間にか物置へ移っていたこと。本棚の文庫本が、相談もなく段ボールに詰められていたこと。そのたびに、私が言い出せば済む話だと流してきたのです。
それから、車で家へ帰りました。
そして...
定位置に車を停めて部屋に戻り、夫には「返してもらってきた」とだけ伝えました。鍵は、玄関のフックに掛け直しました。
少しして、夫から友人に謝りに行ったと聞きました。
先日の休みに部屋の掃除をしていると、夫が本棚の前で、私の文庫本が入った箱を持ち上げかけて手を止めました。
「これ、動かしていい?」
「うん、そこに置いといて」
前なら、断りもなく段ボールに詰めていたはずの本です。あの日から夫に何があったのか、私はまだ聞けずにいます。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























