「今どこ?」と1日10回送っていた俺→初めて届いた「家じゃない」で、聞く順番が逆だったと気付いた

カップル

「家じゃない」の返事を見て、俺は一度も聞けなかったことを聞くことにしました。ベンチで彼女が取り出した1枚の紙は、俺の紙とは部屋の数が違っていました。

2枚目の間取り図を鞄の内側にしまい直してから、俺はまた同じメッセージを送りました。

聞きたいことの代わりに送っていた言葉

彼女に「今どこ?」と送るようになったのは、半年ほど前からです。きっかけは、彼女が何気なく言った「家にいるのが1番落ち着く」という一言でした。その家を、2人の家にしたい。そう思ったのに、口に出す言葉が見つかりませんでした。

代わりに、彼女がどの駅を使い、どの店に寄り、どこで1日を終えるのかを知りたくなりました。返ってくる「会社」「スーパー」「家」を頼りに、彼女の生活圏の中で部屋を探す。それが、俺なりの準備でした。1日10回は多いと自分でも分かっていました。それでも送るのをやめられなかったのは、聞くのをやめたら、一緒に住む話がそのまま消えてしまう気がしたからです。

初めて返ってきた「家じゃない」

その日は、不動産屋で2部屋ある物件の図面をもらった帰りでした。図面を鞄にしまい、いつものように送りました。返事は来ません。二度目を送ってしばらくして、届いたのは「家じゃない」でした。

今までにない返事でした。どこにいるのかは書かれていません。俺は「そっか」とだけ返し、それから画面を伏せて、駅までの道を歩き出しました。今頃、彼女はどこかで俺の名前の通知を見ているのだろうか。そう思ったところで、聞きたかったことを聞く順番が、ずっと逆だったことに気付きました。「今日、会える?」と送ると、「駅前のベンチ」と返ってきました。

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