
同棲中の彼女がいると知っても諦めきれない私→毎日お弁当を渡し続けた私の恋の結末
コラム
彼女がいる人だと、最初からわかっていました。それでもお弁当を作る手を止められなかったのは、どこかで「届くかもしれない」と期待していたからなのかもしれません。これは、自分の気持ちに正直になれなかった私の話です。
気になる存在
彼と同じ部署になったのは、昨年の春のことでした。穏やかで丁寧な仕事ぶりが印象的で、気がつけば目で追うようになっていたのです。同僚との何気ない会話の中で、同棲中の彼女がいることをすぐに知りました。
毎日持ってきているお弁当も、彼女の手作りだということも。それを聞いたとき、素直に「いいな」と思いました。彼女がいるのだから気持ちを向けてはいけない。頭ではわかっていたのに、彼への気持ちは日に日に大きくなっていきました。
「作りすぎちゃって」という言い訳
きっかけは、本当にささいなことでした。ある朝、おかずを作りすぎてしまい、お弁当箱ふたつ分に。捨てるのはもったいないし、誰かに渡そうか。そう思ったとき、真っ先に浮かんだのが彼の顔でした。
「よかったら」と差し出すと、彼は少し驚きながらも「ありがとう」と受け取ってくれました。その笑顔が嬉しくて、翌日もふたつ分作って渡してしまいました。毎朝彼のために料理をしている自分に、どこかで一線を越えているという自覚はあったと思います。それでも、あの「ありがとう」を聞きたくてやめられなかったのです。
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空回りしていく気持ち
























