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「あいつは俺が育てた」と自慢する元上司→懇親会で、現職の社長が口を開いた瞬間

コラム

懇親会で現職の社長が口を開いた

懇親会の会場で、元上司と目が合いました。「久しぶりだな、立派になったな」と声をかけてきます。周りには同業他社の方も数人いました。 「俺が育てたって、みんなに話してるんだ」と彼が続けたそのとき、現職の社長が私の横に並びました。「彼女を引き抜いた当時のお話ですか」と、穏やかな口調です。

「前職で通らなかったという企画書を、採用面接のときに全部拝見しました。うちではその九割を通しています」。社長は元上司の目を見て、続けました。「育てるというのは、機会を渡すことだと私は思っています。見抜けなかった側が、育てた側を名乗るのは、少し違うかもしれませんね」

元上司の顔から表情が消えていきました。周りの人たちは何も言わず、ただその場に立っていました。

そして...

元上司は小さく会釈をして、その場を離れていきました。声を荒らげた人もいなければ、誰かを辱めるために仕組んだわけでもありません。ただ、事実が事実として、穏やかに語られただけでした。

帰り道、不思議と胸が軽くなっていました。差し戻された企画書の一枚一枚が、ようやく正しい場所にたどり着いた気がしたのです。あの5年間を無駄だと思いたくはありません。ただ、今日ようやく、私の歩いてきた道は誰のものでもない、私自身のものだと、胸を張って言える気がしました。

(30代女性・広告企画)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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