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「比べてない」と答えるまで10分かかった理由を、彼女には言えなかった

コラム

送った答えは「比べてない」だった

最終的に、僕は「......比べてない」と打ち込んで送信しました。それは嘘ではありません。彼女の方が可愛い、元カノの方が可愛い、という比較の中に彼女を置いていない、という意味でした。

けれど彼女からは、「ずるい」とだけ返ってきました。

その瞬間、自分の答えが、彼女が欲しかった答えではなかったのだと気づきました。彼女が聞きたかったのは「比べたうえでの一位の宣言」だった。僕が出したのは「土俵から下ろす」答え。「比べてない」は嘘ではない。

けれど、彼女が欲しかったのはまったく違う種類の言葉だったのです。

そして...

僕は「ごめん」とだけ送って、それ以上のメッセージは送ることができませんでした。10分かけて選んだ答えが彼女を傷つけたという事実を、文章でどう説明しても言い訳になる気がしたからです。

翌朝、彼女から「昨日はごめん、聞き方がよくなかった」とメッセージが届きました。違う、と思いました。聞き方の問題じゃない。10分も既読をつけたまま黙りこくっていた僕の方が、よっぽど不器用だった。

次に同じ質問をされたら、迷わず「君が一番だよ」と返せる男になりたい。比べていないという答えが正しくても、彼女が欲しい言葉とは違うこともある。

あの夜の10分の沈黙を、ちゃんと言葉に変えていける関係になっていきたいと思っています。

(20代男性・IT系会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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