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元カノとのアルバムを消していった俺が、最後まで消せなかった一枚

コラム

別れた元カノに、半年ぶりの連絡をしました。長い文章は途中でやめて、送ったのは短い一言だけ。あの一枚が彼女に残るなら、それでいいと思ったのです。

全部消すつもりだった

写真共有のサービスが終わるという知らせが、消す作業のきっかけでした。残しておいても、近いうちにまとめて消えてしまいます。別れたとき、自分の端末からはとっくに消していました。それなのに共有先には、付き合っていたころの写真がそのまま残っていて、俺は一枚ずつ順番にたどっていきました。割り切って全部消すのが、いちばん早いはずでした。

消せなかった一枚があった

失敗したお好み焼きも、適当に撮った店の看板も、見ていると当時のことがよみがえってきました。それでも、最後まで消せなかったのは、彼女の横顔を撮った一枚でした。初めて二人で遠出した日、帰りの電車で撮ったものです。彼女は窓の外を流れていく海を見て笑っていました。「また来ようね」と言う、その少し前の顔です。声をかけずに撮ったので、本人はカメラに気づいていませんでした。

自分のカメラロールに移すことも、一瞬考えました。けれど、彼女に無断でその写真だけ持ち続けるのは、なんだか卑怯な気がしたのです。かといって、一枚だけ送れば、なぜこれを、と聞かれてしまいます。だから、この一枚を残すために、アルバムごと彼女のほうへ送ろうと決めました。俺の端末から消えても、彼女の手元に残ればいい。そう考えたら、気持ちが決まりました。

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