
誕生日に行きたかった店を彼が変更、後日見つけたキャンセル料の領収書
コラム
彼の財布からこぼれ落ちたのは、行きたかったお店のキャンセル料の領収書でした。たしかに予約してくれていたそのお店を、なぜ彼は自分で手放したのか。理由がわからないまま、私はその紙を見つめていました。
スマホに届いた「店、変えたから」というメッセージを、私は何度も読み返しました。誕生日に行きたいと話していたお店を、彼が予約してくれているはずでした。理由を聞いても、はっきりした答えは返ってきませんでした。
ずっと行きたかったお店のはずだった
私には、ずっと行ってみたかったお店がありました。予約が取りにくいと評判の、こぢんまりとしたお店です。誕生日が近づいたころ、私は彼に「あのお店で誕生日を過ごしたいな」と伝えました。すると彼は、迷うことなく「予約は任せて」と言ってくれました。その言葉が、私にはとても嬉しいものでした。自分の希望を覚えていてくれたこと、面倒がらずに引き受けてくれたこと。当日を指折り数えるくらい、私はその日を心待ちにしていました。
返ってきた素っ気ない一言
ところが誕生日の数日前、彼から「店、変えたから」とだけメッセージが届きました。あんなに楽しみにしていたお店ではなく、別のお店に変わったと知りました。驚いた私は、思わず「どうして?」と返しました。返ってきたのは「そっちの方がいいから」という、たった一言だけ。理由らしい理由もないまま、私の希望はあっさり置き換えられてしまったのです。私の誕生日なのに、どうして相談もなく決めてしまうのだろう。それ以上は問いかけられず、私はメッセージの画面を閉じました。
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笑顔の裏に残ったわだかまり
























