
贈られたお皿を割ってしまった僕は、同じものを探し続けながら彼女に嘘をついていた
コラム
「あのお皿、使ってる?」と聞かれても、本当のことが言えませんでした。同じものを探して何軒も回り、見つからないまま嘘が積み重なっていく。彼女を不安にさせていたと気づいたのは、あとのことです。
割れてしまった大切な一枚
料理を始めたばかりの僕に、彼女は白い大きめのプレートを贈ってくれました。お気に入りのお店で選んでくれたと聞いて、僕はそれを使うのが楽しみで仕方ありませんでした。
ところが、何度目かの洗い物のとき、手をすべらせて床に落としてしまったのです。割れたお皿のかけらを、僕はしばらく拾い上げられずにいました。すぐに謝ればよかったのに、彼女のがっかりする顔が浮かんで、どうしても言い出せなかったのです。
写せないまま重ねた嘘
それでも料理は続けていて、出来上がるたびに写真を撮っては「今日の料理、自信作」と彼女に送っていました。ただ、あのお皿だけは写せません。別の食器に料理を盛りつけては、割れた事実が画面に映り込まないよう気をつけていました。
ある時、彼女から「あのお皿、使ってる?」とメッセージが届きました。本当のことを言うなら、ここしかない。そう思いながら、僕が打ったのは「うん、たまにね」という、その場しのぎの返事でした。
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同じお皿を探す日々


























