
「なんとなく、かな」と答えた俺→遠い駅で、こっそりしていたこと
コラム
待ち合わせの駅前で、不動産屋の貼り紙をぼんやり眺めていました。並んだ間取り図のどれかに、いつか彼女と暮らす部屋を勝手に重ねていました。それが、彼女と会う日のひそかな楽しみだったのです。彼女が来るまで、この街をひとりで歩くのが好きでした。
遠い駅を選んでいたのは、俺の身勝手な夢のため
彼女と待ち合わせるとき、俺はいつもこの駅を指定していました。理由は単純で、ここが将来ふたりで住めたらいいと思っている街だったからです。落ち着いた商店街があって、家賃も無理のない範囲。会うたびに少し早く着いては、ここで暮らす日々を思い描いていました。
気づけば、その街歩きが、会うこと自体と同じくらい大切になっていました。彼女がどこから、どれだけ遠くから来てくれているのか。そこまで考えが回っていなかったことに、あとから気づきました。
「早く着いちゃった」に込めていた、ただの本音
その日も街を歩き回って、約束の場所のベンチで彼女を待っていました。改札から出てくる彼女を見つけて、俺は手を挙げました。「早く着いちゃった」というのは、嘘でも見栄でもなく、ただの本音です。実はもっと前から来て、この街を歩いていたのですから。
彼女がいくvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvつもの駅を越えてここへ来ていることを、そのときの俺は重さとして受け止めていませんでした。自分の楽しみにばかり気を取られて、隣にいる人の足取りまで見えていなかったのだと思います。
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彼女の問いかけで、ようやく見えたもの

























