
夢を諦めたのは夫のせいだと思わせたまま半年。手紙の書き出しで、私はごまかせなくなりました
コラム
あの日から半年、夫が言いかけてやめるのを何度も見ていました。それでも私が黙っていた理由は、夫が手紙に書いたこととよく似ています。
通いたかったのは夜間の2年
事務の仕事のかたわら、頼まれた服の直しを10年断らずにきました。裾上げもボタン付けも喜ばれますが、あくまで人の用事のついでです。洋裁の専門学校の夜間コースなら、勤めを続けたまま2年で型紙から作れるようになります。直せばまだ着られる服が、直せると知られないまま捨てられていくのを、見てきました。それを自分の仕事にしたかったのです。学費は自分の貯金でぎりぎり足ります。それでも食卓に広げていた資料は、私が取り寄せた3度目のものでした。
反対されたことにしておけば済みました
帰ってきた夫が最初に言ったのは「それ、いくらかかるの」でした。私が自分に問えずにいたことをそのまま出されて、私は資料を封筒に戻し「ちょっと見てただけ」と答えました。反対されたことにできる、と思ったのはそのときです。通ってしまえば、向いていなかったという答えがいつか出てしまうかもしれません。2年間も通えるのか、不安がかなり大きかったのです。数日後、私は封筒を自分で古紙の束に入れました。夫が玄関で紐を結び直しているのも見ていました。それからは、夫が「あのさ」と言いかけるたびに、私が先に翌週の予定の話を始めました。
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夫からの手紙






















