助手席でスマホを見続けた私が、秋の旅行に返事を出せずにいる理由

コラム

突き放す言葉を選んだ本当の理由を、私は誰にも話していません。封筒に少しずつ入れているお金だけが、あの旅行の続きです。

出発の前の日、私は財布の中身を数えてから、見なかったことにしてかばんへ戻しました。

誘われた旅行と、足りない残高

免許も車も持っている友人と、夏休みに2人で旅行の計画を立てました。行きたい場所を並べている時間は楽しくて、私はお金の話を最後まで持ち出せませんでした。

その頃の私は出費が重なり、ガソリン代まで負担する余裕がありませんでした。それでも行けないとは言えず、当日、私は何も決めないまま助手席に座りました。

画面に逃げていた助手席

彼女が給油機の前で財布を開くたび、私はスマホの画面に目を落としました。金額を見れば、出せない自分を認めることになる気がしたからです。観光地の駐車場代だけは、細かい額まで計算して半分渡しました。そこだけでも払っていれば、対等でいられる気がしていました。帰り道のサービスエリアで、彼女が口を開きました。

「運転もしてるし、ガソリン代くらいは半分出してほしいな」

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