用件は数秒で終わるのに、夫の音声メッセージはいつも15秒ありました

コラム

夫からの連絡は、必ず音声で届きます。両手がふさがって止められないまま流れた最後の数秒に、聞いたことのなかった一言が入っていました。私はそのまま、2年ぶんの記録をさかのぼって開き直しています。

用件が終わったあとも、帯はまだ残っていました

結婚して3年、共働きの私たちのやりとりは、ほとんど画面の上で終わります。音声で届くようになったのは2年ほど前からです。ちょうど私の仕事が重なっていて、「長い文章、今は読む余裕がなくて」と送ったことがありました。夫にも余裕がないのだろうと、そのときは受け取っています。再生すると「帰りが遅くなる。ごはんはいらない」と流れ、用件はそこまででした。帯の右端に出ている数字は、どれも15秒前後です。私は用件を聞き取ったところで再生を止め、了解、と文字で返していました。

文字で送ってほしいと頼んだ返事も、声で届きました

買い物を頼まれた回に、袋の種類まで聞き取れず、売り場で2度再生したことがあります。それで私は「用件だけなら、文字で送ってくれる?」と打って送りました。返ってきたのは、また灰色の帯です。「わかった」とだけ入っていて、長さは4秒程でした。その後の連絡も、変わらず音声で届きます。省かれた手間は私のほうに移っていて、私に向けての連絡だけが片手間で済まされているように思えました。

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