引き止めてほしいと言えなかった私が、本に挟んだ紙にだけ書けた頼みごと

コラム

頼めなかった頼みごと

彼の部屋から帰るとき、彼は必ず外まで出てきて見送ってくれました。同じ町の中で歩けた距離が、来月からは電車を乗り継ぐ長さに変わるはずでした。会いに来てほしいと口にすれば、都合を聞かれて、無理だと言われるかもしれません。断られたら、向こうで荷物をほどく気力が残らないと思いました。だから本に挟んだ紙に「月に1度でいいから、会いに来てほしいです」と書き足したのです。駅で彼が「気をつけて」と言ったので、私は「うん」とだけ返して改札を抜けました。

そして...

改札を抜けてから、頼めなかった言葉を打っては消しました。結局どれも送れていません。

彼があの紙を見て私に会いに来てくれることを祈っています。

(20代女性・販売職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

HOT ITEM
  • X
  • Line