定型の返却通知に「続き、入荷しました」と1行足した司書の私が、そのあと確かめなかったこと

コラム

送ったあとの画面

送信したあと、画面には何の変化もありませんでした。公式のチャットには既読の表示がなく、返信も届きません。余計だと感じたかもしれない。そもそも読まれていないのかもしれない。カウンターに立ちながら、そんな想像だけが続いていました。返却カウンターの前にその人が立ったのは、送信からそれほど経たないうちでした。サンダル履きで、肩で息をしていました。

「あの、メッセージに、続きが入荷したって」

「はい。新着の棚にあります」

棚まで案内すると、下巻はまだそこにありました。その人は私の名札を見て、それから「ありがとうございます」と言いました。なぜ連絡をしたのかは、聞かれませんでした。聞かれていたら、うまく答えられなかったと思います。私はカウンターに戻りました。

そして...

その日の閉館前、新着の棚を見ると、下巻はもうありませんでした。誰が借りたのか、貸出の記録を確かめることはしませんでした。

(30代女性・図書館司書)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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