
『これ捨てとくね』母のメッセージに気づいた時には、20年一緒だったぬいぐるみはもうなかった
コラム
届いた収集所の写真
返信が来たのは、机の上の書類がひと山減った頃でした。
写真は、実家の近くの集積所でした。袋は1つもなく、コンクリートの地面だけが写っていました。
「収集所まで行ったけど、もう持っていかれてたよ」
「ごめんね。聞いてから捨てればよかった」
母がそこまで歩いたのだと思うと、写真の地面が別のものに見えました。私は短く返しました。
「わかった。行ってくれてありがとう」
知らなかったのではなく、私が言わなかった。それだけのことでした。
そして...
「これ捨てとくね」に添えられていた写真を、私は印刷して本棚の端に立てています。床に置かれた、耳のほつれたうさぎ。最後の1枚が母の手で撮られたものだったことを、今は悪くないと思っています。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























