「女友達と2人で」とだけ送ってきた彼を疑った私→届いた1枚の写真を見て、上着を羽織って家を出ました

コラム

席から撮った1枚と、近すぎるお店

続けて届いたのは、席から撮ったらしい1枚。奥の壁には、地図の店内写真と同じメニューの短冊が並んでいます。向かいの席の女性は、白い封筒を両手で持ち、こちらに向けていました。

封筒には金色の英字で「WeddingInvitation」。封筒を支える左手の薬指には、細い指輪がはまっていました。

結婚式の招待状を渡すための席だったのだと思います。私の「誰?」に混じっていた疑いに、彼は気づいていたはずです。

「疑ってごめん。ありがとう」と送っても、既読がつくだけで返事はありません。

画面越しに謝って終わりにするには、あのお店は近すぎました。上着を羽織って、家を出ました。

そして...

引き戸を開けると、奥の席の彼がこちらに気づき、椅子から腰を浮かせました。

振り返った女性は、彼が口を開くより先に立ち上がり、自分から名前を名乗って頭を下げてくれました。それから彼のほうを向いて、笑いながら言いました。

「名前くらい、言えばよかったのに」

彼は私を見て、「今度ちゃんと話す」とだけ言いました。

少しだけ3人で飲んだ帰り、駅へ向かう彼女は、別れ際に私へ「式で待ってますね」と手を振りました。

招待されたのは彼のはずです。どうして私まで式に行くことになっているのか。あのお店を選んだ理由も、「今度」がいつなのかも、まだ聞けていません。

隣を歩く彼のコートのポケットから、白い封筒の角がのぞいていました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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