写真だけで彼女の実家を見下していた俺→彼女の実家の庭でスマホを構えてしまった理由

コラム

座り直した理由

座敷に戻ると、俺は正座をしていました。緊張したからではありません。この家とつながっておいて損はない。頭にあったのは、それだけでした。

お父さんの呼び方も、話題も、その場で選び直しました。庭の手入れを熱心に聞いたのも、話を合わせるためです。

帰りの電車では、撮った写真を見返しながら彼女に送りました。

「お前の実家すごすぎない?庭、旅館かと思った」

「てか、まわりの田んぼもお前んちの?」

返ってきたのは、見覚えのあるメッセージでした。

「古い造りなだけだよ」

謙遜だろうと受け取り、次に会う約束を取りつけるつもりで返信しました。

「次いつ行く?お父さんにちゃんとお礼したい」

そして...

しばらくして届いたのは、短い返事です。

「少し考えさせて」

何を考えるのか、俺には見当がつきませんでした。写真だけで家を見下したことも、庭を見て態度を変えたことも、彼女には伝わっていないはずだと思っていたからです。

返事を打たないまま画面を切り替え、地図アプリの航空写真で、彼女の実家のまわりの田んぼを1枚ずつ指でなぞっていました。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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