疑えば疑うほど引っ込みがつかなくなった。俺が彼女に謝れなかった、自分だけが知る理由

コラム

引っ込みがつかなくなって

それを送ったあとで、同期にも連絡しました。

「隣の男の人って、どんな感じだった?」

「黒いコートの人。改札の前でお互い頭下げて別れてたよ。え、なんかまずかった?」

頭を下げ合って別れる相手なら、仕事の帰り道と考えるほうが自然でした。元彼の投稿も、同期の連絡よりずっと前に載せられたものです。

彼女はたぶん、本当のことを言っている。そう分かりかけた頃には、次のメッセージが届いていました。

「なんでそうなるの?先輩の部署も名前も言えるよ」

読んだまま、しばらく画面を見ていました。ここで謝れば、俺の勘違いだけが残ってしまう。疑えば疑うほど引っ込みがつかなくなって、打ったのはこんな一文でした。

「別に。疑われるようなことしなきゃいいだけじゃん」

そして...

「謝ってはくれないんだね」

既読をつけたまま、入力欄に「ごめん」と打ちました。送信ボタンの上で親指を浮かせて、また消しました。謝れば、なぜあそこまで疑ったのかも話すことになる。前の彼女にしたことを知られるのが、怖かったのです。

同期には「大丈夫」とだけ返して、彼女とのチャット画面を開いたまま、スマホを伏せました。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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