
友達に断られたその日、俺が彼女に送ってしまった言葉と送れなかった本音
コラム
謝りの文章を2度打って、2度消しました。彼女に送れたのは、呼ぶ相手のいない部屋の掃除を終えたあとの、いちばん短い1文です。断られたことを知られるより、彼女に「俺を選べ」と言うほうを選んでしまいました。
冷蔵庫には、2人で飲むつもりだった缶が並んでいました。そのうちの1本を取り出そうとして、俺はスマホを先に手に取りました。画面には、友達から届いた短い断りのメッセージが残っていました。
2人分を用意した部屋に残ったのは俺だけ
彼女と付き合って1年になります。その週末、彼女が友人の引っ越しを手伝うことは、先週のうちに聞いていました。
俺は「了解」とだけ返しました。
その日は自分も地元の友達を家に呼ぶ予定があったからです。前日に飲み物とつまみを買い、散らかっていた部屋も片づけました。
ところが朝になって、友達から急に行けなくなったと連絡が来ました。
理由は書いてありました。仕方がない内容でした。
それでも、冷蔵庫に並んだ2本の缶と、いつもより片づいた部屋を見ていると、急に予定だけがなくなったことが嫌になりました。
彼女のチャットを開きました。
「今日、やっぱり無理?」
送ってから、彼女には先約があるとわかっていることを思い出しました。
そのまま、
「友達より俺のほうが大事だろ」
と続けました。
「会いたい」と送れなかった理由
送信した直後、自分でも嫌な言い方だと思いました。
俺が言いたかったのは、
「予定なくなった。今日会えない?」
それだけだったはずです。
でも、その言い方なら彼女から「今日は無理」と断られるかもしれません。
朝から友達に断られたあとで、彼女にも断られるのが嫌でした。
だからお願いする代わりに、彼女に順位を決めさせました。
俺を大事に思っているなら予定を変えるはずだ、という言い方にすれば、断るほうが悪いようにできると思ったのかもしれません。
彼女から返ってきました。
「引っ越しの手伝い、先週から言ってたよね」
そのとおりでした。
俺はスマホを置きました。
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打っては消した2つの文章


























