2013.11.22 更新

涙を流してキレイになる?!今流行の「涙活」の効果とは


最近“涙活”というのが流行っているのをご存知ですか?この涙活を始め、実は最近“泣く”という行為に注目が集まっています。動画サイトでは泣ける動画が人気を集め、SNSやネット上には「1分間で泣ける動画」や「心にしみる話」などがまとめられ、紹介されています。今回は涙活の実態と涙の効果についてご紹介します。
「涙活」とは、離婚式プランナーの寺井広樹氏が新たに提唱したもので「1か月に2~3分だけでも能動的に涙を流すことによって心のデトックスを図る活動」のことです。ストレス社会に生きる私たちですが、大人になるとなかなか人前で思い切り泣くということができなくなります。そういった人たちのために、泣ける映画や朗読を聞いて意識的に涙を流す場所を提供してくれるのが涙活のイベントなのです。
「涙――人はなぜ泣くのか」(石井清子訳 日本教文社1990年刊)の著者であり、涙の研究で有名なアメリカのウィリアム・H・フレイ博士によると、涙には3種類あります。
(1)基礎分泌による涙(2)刺激による涙(3)感情による涙
「基本分泌による涙」とは、ドライアイを防ぐために分泌されている涙のことで、「刺激による涙」はタマネギの刺激や目にゴミが入ったときに出る涙、そして「感情による涙」は悲しいときや嬉しいときに流す涙です。同じ涙でも、人がストレスを発散するためにはこの「感情による涙」を流さなければ意味がないのだそうです。
フレイ博士の研究により、感情の涙から抗ストレスホルモンが検出されることがわかりました。さらにこれを検証するため、東京女子医科大学で涙を流す前と後で血液中のストレスホルモンを測定したところ、涙を流したあとの方が血液中のストレスホルモンが減少していたそうです。

つまり、人は涙を流すことでストレスを体の外に排出しているのです。ただしこれは感情の涙の場合のみ。基本分泌による涙や刺激による涙から、抗ストレスホルモンが検出されることはありません。感情による涙だけがストレスを体の外に出してくれるのです。
人がストレスを感じると、体の中で抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンが合成されます。副腎皮質ホルモンは合成される際に、ビタミンCやビタミンEを消費してしまいます。ビタミンCやビタミンEは抗酸化物質で、活性酸素によって起こる酸化から体を守ってくれる成分なので、それを失うと活性酸素の影響で体はどんどん老化していきます。

また老化の原因となる活性酸素は、体が副腎皮質ホルモンを合成、分解する時にも発生します。活性酸素は自律神経のバランスを崩し、免疫力を大きく低下させ、皮膚の炎症反応の原因となります。ストレスを感じると体は酸化の悪循環に陥るのです。

しかし、そんな恐ろしい現象を止めてくれるのが涙です。先ほどお話ししたように、涙を流すことによってストレスを体の外に排出することができます。また涙を流すことで、緊張やストレスに関係する交感神経から、脳がリラックスした状態の副交感神経へとスイッチが切り替わります。たくさん泣けば泣くほど、ストレスが解消し心がリラックスするのです。
ストレスを発散させることは若さと美しさを保つためにとても大切なことです。
以前テレビで涙活の特集を観たことがあります。涙活を終えて「家族の前では泣けなかったのに泣けてすっきりした」「久しぶりに泣いた」と話す人の顔はみんな晴れやかでした。
泣くことさえ上手くできない私たちに、涙活の場は必要なのかもしれませんね。ストレスが溜まっている人は涙活に参加してみてはいかがでしょうか?

(佐々木仁美/ハウコレ)

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