
妻に嘘をついて浮気相手のアパートに通っていた僕。いつものようにアパートへ行った翌朝、妻から来たLINEで息が止まった
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失ってから気づくものがある、とよく言います。でも「気づく」だけでは何も取り戻せないということまでは、誰も教えてくれませんでした。これは、妻にも職場にも居場所を失った、僕のお話です。
始まりは愚痴だった
会社の同じフロアに、昨年異動してきた女性がいました。昼休みにたまたま同じコンビニで会って、「この会社、残業多いですよね」と笑い合ったのが最初です。そこからランチを一緒にとるようになり、仕事の愚痴を言い合うようになりました。
妻には言えないことが、不思議と彼女には言えたのです。育児で疲れている妻に「仕事がつらい」とは言えませんでした。「お互い大変だね」。彼女のその一言が、当時の僕には何よりも楽な言葉だったのです。気づいたときには、彼女のアパートに通う生活が始まっていました。
「飲み会」という嘘
妻に「最近どこで飲んでるの?」と聞かれたとき、「いつもの店だよ。駅前の居酒屋」と即座に答えました。嘘をつくことに、もう何の抵抗もなくなっていたのです。最初の数回は罪悪感がありました。でも人間は恐ろしいもので、嘘は繰り返すほど軽くなるのです。「今日飲み会」とLINEを打つ指が震えたのは最初の1回だけでした。
妻から「了解、お疲れさま」と返ってくるたびに、申し訳なさよりも安堵を感じるようになっていました。帰宅して、妻が寝かしつけた息子の横で疲れた顔で眠っているのを見ても、「明日は早く帰ろう」と思うだけで、「もうやめよう」とは思えなかったのです。カーナビの履歴を消し忘れていたことには、まったく気づいていませんでした。
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「あのアパートの前にいたよ」
























