
3年間騙され続けた私。彼が夢見た「最高の舞台」で、すべての嘘が崩れ落ちました
コラム
交際していた彼は、話を盛ることが多い人でした。仕事のこと、過去のこと、将来のこと。彼の言葉はいつも輝いていて、私は疑うこともありませんでした。けれど、3年という月日の果てに起こった出来事は、私の想像をはるかに超えるものだったのです。
「完璧」に見えた彼
彼と出会ったのは、友人が開いたパーティーでした。大手商社に勤め、若くして管理職に就いていると話す彼。
「学生時代はアメリカの大学に留学していた」
「実家は地方で会社を経営している」
そう語る姿に、私はすっかり魅了されてしまいました。
交際が始まると、彼は「出張が多い」と言い、週末に会えないことも多くありました。「君との将来のために頑張ってるんだ」という言葉を信じ、私は寂しさを抑えて応援し続けたのです。
ただ、時折感じる小さな違和感。話の辻褄が合わないこと、話を聞くとはぐらかされることも。それでも私は「こんな素敵な人が嘘をつくはずがない」と信じ込んでいました。
積み重なる矛盾、揺らぐ信頼
交際2年を過ぎた頃、違和感は確信に変わり始めました。彼が「海外出張中」と言っていた週に、都内で彼らしき人を見たという友人の報告。会社の話を詳しく聞こうとすると、毎回微妙に役職名が変わること。
決定的だったのは、彼の財布から見えた名刺でした。そこに書かれていた会社名は、彼が勤めていると言っていた大手商社ではなく、聞いたこともない小さな会社。しかも役職欄は空白だったのです。
問い詰めても「部署が変わった」「出向中なんだ」とはぐらかす彼。私は静かに調べ始めました。すると出てくるのは、嘘ばかり......留学経験も、実家の会社も、すべてが作り話だったのです。
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彼が関係を望んだ「最高の舞台」

























