
「鶏肉って何分焼くの?」と彼女に聞いたあの夜、3回焦がしたフライパンを洗いながら俺が考えていたこと
コラム
料理なんてしたことがない。そんな俺が突然キッチンに立った理由を、彼女にはまだ言えていません。
聞こえてしまった一言
きっかけは先週の日曜日でした。彼女の部屋でテレビを見ていたとき、キッチンから彼女が友人と電話している声が聞こえてきました。「毎日ごはん作るのしんどいときあるよね。たまには誰かに作ってほしいなって思う」。友人への愚痴のような、ため息まじりの軽い一言でした。彼女はいつも俺に手料理を作ってくれます。「好きでやってるから」と言いますが、あの声は好きでやっている人の声には聞こえませんでした。
最初の失敗
その夜、自分の部屋に帰ってから動画サイトで「初心者 チキンソテー」と検索しました。簡単そうに見えました。油を引いて肉を置いて焼くだけ。それだけのはずが、1回目は中が生焼け、2回目は外が真っ黒になりました。フライパンの底にこびりついた焦げをこすりながら、彼女にメッセージを送りました。「鶏肉って何分焼くの?」。すぐに「急にどうしたの?」と返ってきて、「ちょっと気になっただけ」と返すのが精一杯でした。「中火で片面5分くらいだよ」。彼女が教えてくれた通りにやって、3回目でようやく食べられるものが焼けました。
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