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彼女が来ない1時間、僕は何度も不安に襲われた。けれど一言で笑えた夜

コラム

自分でも意外なほど冷たい声

彼女が小走りでやってきたとき、約束の時刻から38分が経っていました。彼女は「ごめんね、本当に」と頭を下げます。

僕の口から出たのは、自分でも意外なほど冷えた声でした。「お前の5分は信用できない」

言った瞬間に後悔しました。本当に責めたかったのは彼女の遅刻ではなく、待っている間に膨らんだ自分の不安です。けれど一度出した言葉は引っ込められず、僕は黙って彼女の反応を待つしかありませんでした。

すると彼女がこう返したのです。「じゃあ次から、30分前に着く予定で言うね」

その瞬間、僕の中の何かが、すっとほどけました。

そして...

「……それ、根本的な解決になってないだろ」気づくと僕は笑っていました。1時間も待った時間の重さが、その一言で少しだけ軽くなった気がします。

居酒屋に移動する道すがら、僕は「実は今日、ちょっと話したいことがあって早めに着いてたんだ」と打ち明けました。彼女は驚いて足を止めかけながらも、僕の話を最後まで聞いてくれました。

待たされる時間に膨らんだ不安は、彼女の遅刻のせいだったのか、それとも僕自身の弱さだったのか。今でもよくわかりません。ただひとつわかったのは、信用というものは時間の正確さよりも、相手の言葉を笑って受け止められるかどうかで決まるのだということでした。

(20代男性・システムエンジニア)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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