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別れ話の途中で、私の嫌いなしいたけだけを皿からどけていく彼が信じられなかった

コラム

「もう終わりにしよう」と言った彼は、そのあとも私の皿に箸を伸ばしていました。よけていたのは、私が苦手なしいたけです。別れの理由ははっきり聞けないのに、3年間続いた気遣いだけが、いつものように残っていました。

いつもの店で切り出された話

付き合って3年になる彼と、最初のデートで行った中華の店に入りました。角の席に座って、いつもの八宝菜を頼む。変わらない流れの中で、彼の口数だけが減っていました。

仕事で疲れているのかと思い、私はあまり深く聞きませんでした。けれど料理が運ばれてしばらくして、彼は箸を置きました。

「もう終わりにしよう」

その言葉は、店の音の中でもはっきり聞こえました。何度も来た場所なのに、その席だけ別の場所になったように感じました。

しいたけだけをよける手

私は「どうして」と聞きました。彼は「お互いのためだと思う」と言いました。理由としては足りませんでした。でも、彼はそれ以上話そうとしません。

その間も、彼の箸は私の皿に伸びていました。八宝菜の中から、私が苦手なしいたけだけを選んで、自分の皿の端に寄せていきます。

その手つきは、いつもと同じでした。私が頼まなくても、彼は毎回そうしてくれていました。なのにその日は、優しさを受け取るほど、何を終わらせたいのか分からなくなっていきました。

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