
「お前さん、母さんの若い頃に似てるなあ」義父の一言で、私と義母の距離が変わった日
コラム
義実家のリビングに、いつもと変わらない献立が並んでいました。義母手作りの煮物、義父が朝市で買ってきたという刺身、夫が好きな卵焼き。月に一度のこの集まりは、結婚3年目の私にとって嬉しい時間であり、少しだけ重い時間でもありました。
3年経っても縮まらない距離
義母はいつも穏やかでした。私の手土産にお礼を言い、食事中も気を遣ってくれます。けれど、それ以上の踏み込みはありません。料理を褒めれば「ありがとう」、近況を尋ねられても「そう」と。視線は私の手元や夫の方ばかりで、私の目を見て話されたことはほとんどなかったのです。
何か悪いことをしたのだろうか。私の何が気に入らないのだろうか。考えれば考えるほど、義実家への道のりが少し遠く感じられるようになっていきました。
仏壇を見つめて、義父がつぶやいた
その日の食卓も、和やかに進んでいきました。私が義父にビールを注ぎ、義母が漬物の皿を回す。形式的だけれど、それなりに穏やかな食事です。
ふと、義父が仏壇の方に視線を向けて、しみじみとつぶやきました。
「お前さん、母さんの若い頃に似てるなあ」
亡き義祖母のことだと気づいて、私は「ありがとうございます」と頭を下げます。義父は嬉しそうに「写真があるんだよ、母さんの若い頃の。今度見せてやろう」と続けました。
何気ない団欒のひとときのはずでした。けれど、向かいに座っていた義母の表情が、ほんの一瞬だけ陰ったように見えたのです。義父はそれに気づかず、お酒を口に運んでいました。
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台所で初めて聞いた、義母の声
























