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記念日の花束を花屋に置いて、手ぶらで彼女のもとへ帰った僕が抱えていた本当の事情

コラム

手ぶらの帰り道

手ぶらで帰宅した僕を、彼女はエプロン姿で、笑顔で迎えてくれました。テーブルには、僕の好物とケーキが並んでいます。「おかえり。今日、3年目の記念日だよ」とうれしそうに言う彼女に、僕は「ああ、ごめん。なんだか疲れちゃって」と返すのがやっとでした。

本当は、花束のことも仕事のことも、打ち明けてしまえばよかったのだと思います。それでも、情けない姿を見せたくない一心で、僕は口を開けませんでした。彼女に「何かあった?」と聞かれても、「いや、別に。先に休むね」とごまかすのが精一杯だったのです。

彼女がどんな気持ちであの食卓を整えてくれたのかを思うと、自分の選んだ態度こそが、いちばん彼女を傷つけていたのだと、あとになって気づかされました。

そして...

あの花束を花屋に置いてきたのは、彼女を大切に思っていないからではありません。むしろ、大切だからこそ、整わない気持ちのまま渡したくなかったのです。けれど、黙り込むという選び方は、結局いちばん伝わってほしくない誤解を生んでしまいました。

仕事のことは、これから少しずつ立て直していくしかありません。それでも、彼女に隠して一人で抱え込むのは、もうやめようと決めました。次に二人でゆっくり過ごせるときに、あの日の花屋へ一緒に行って、改めて花束を選び直すつもりです。

今度こそ、僕自身の言葉で気持ちを伝えたい。手ぶらで帰ったあの日のことを、いつか二人で笑って話せるようになりたいと、今は思っています。

(30代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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