
「それはあとにしよう」隣の彼が、友人の前で私の番だけ飛ばした
コラム
彼が全員の前で私の合格を読み上げても、私の笑顔はどこかぎこちないままでした。あの祝福より先に、ひとりきりだった時間に隣にいてほしかったのです。
私のことだけ、後回しにされた席で
友人の家に集まって、持ち寄った料理を囲んでいたときのことです。付き合って一年になる彼も、同じ輪の中にいました。友人の一人が言い出して、みんなで近況を報告し合うことになりました。引っ越しを決めた友人、転職が決まった友人。私はそのとき、長く目指していた資格に合格したばかりで、その報告をするつもりでした。けれど私の番が来たところで、隣の彼が「それはあとにしよう」と口をはさんだのです。
先にどうぞ、と笑った私
私は「私は大丈夫、先にどうぞ」と返して、グラスに口をつけました。心に悪気はないのだろうと思い込むようにして。でも報告の輪は私を抜かしてもう一巡し、私の番はまた飛ばされました。友人たちが順番に祝われ、笑われ、相づちをもらっていく。その輪の真ん中で、私の合格だけが、口にされないまま宙に浮いていました。私の話は、人前で出すほどのことじゃないと思われているのかもしれない。取り皿に取った料理が、少しも減りませんでした。そんな中で彼だけが、時計と玄関のほうを何度も見ていました。
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最後の最後に立ち上がった彼


























