
1円単位で割り勘する俺が、彼女に言えなかった習慣
コラム
「いつもキッチリだね」と彼女が漏らした帰り道から、ずっと言えずにいた一言があります。明日こそ、ちゃんと話そうと思っています。
家計簿アプリの「旅行積立」の欄に、また3,000円を打ち込んだところでした。
1円単位を始めた理由
学生のころ、友人四人で旅行に行ったことがありました。あのときは「だいたい一緒だから」と曖昧にお金を分けてしまいました。後日になって「俺のほうが多く出した気がする」「いや、こっちも払った」と細かい言い合いが続いたのです。あれ以来、俺は誰かと食事をするときは1円まできちんと分けると決めています。誠実でいたいという気持ちの形でした。彼女と付き合うようになってからも、そのルールは変えていません。
気づいていた小さな曇り
イタリアンで「割り勘で、1,847円ね」と伝えたあの最初の会計から、彼女の顔がほんの少し曇るのを俺は見ていました。カフェでも居酒屋でも、計算機を見せる瞬間に、彼女が口角を持ち上げる前のわずかな隙間を、ちゃんと感じていたのです。それでも俺はそのやり方を続けました。代わりに、家計簿アプリでは外食代の数倍を、毎月「旅行積立」の欄へ入れていました。再来月の連休に、彼女と沖縄へ行くつもりだったからです。
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「いつもキッチリだね」























