
駅のショーウィンドウに映った私の口元は、まだ「うざ」の形に歪んでいました
コラム
「あなたが正しいとは言えないかな」。家に帰った私の話を最後まで聞いた母の一言だけが、降ろせなかった気持ちの重さの正体を教えてくれました。
駅で塗り直せばいいと思っていた
高校に通うようになってから、日焼け止めはバッグの一番取り出しやすい場所に入れています。家を出る前に塗り忘れても、駅のホームか電車の中でさっと塗り直せばいい、くらいに考えていました。私はその朝も、混んでいなさそうな車両を選んで、ドアの近くに立ちました。
手のひらにチューブから白いクリームを出して、空いている方の腕に伸ばしていく。車体が1度ぐらりと傾いた拍子に、私の肘が、隣に立っていた女の人のブラウスに当たったのが少し見えました。
知らない大人に、いきなり指摘されて
女の人が私のほうを見て、声をかけてきました。
「すみません、ここで日焼け止めはちょっと…」
言われた瞬間、頭にきました。日焼け止めを塗っているだけなのに、知らない人に口を出される筋合いはない。私は「は?」とだけ返して、そのままスマホに目を落としました。次の駅でドアが開くと、わざと聞こえるように「うざ」と漏らしてホームに出ました。背中越しに視線を感じましたが、振り返りませんでした。
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駅のガラスに映った私の口元
























