
「俺だって疲れてるんだよ」と言った休日、ヘッドセットを外した理由
コラム
俺だって
台所のほうから妻の声が飛んできました。「毎週こうだよね。休みの日くらい、この子のほう向いてあげてよ」。ヘッドセットを首に下ろして、妻のほうを見ました。「俺だって疲れてるんだよ」。嘘ではありません。ただ、その言葉が息子の代わりにはならないことも、ゲーム画面がオートセーブに切り替わるのをぼんやり眺めながら、わかっていました。
そして...
コントローラーをテーブルに置きました。ヘッドセットを外すと、台所の水の音と、息子の部屋からクレヨンが転がる音が戻ってきます。どちらも、さっきまで俺が遮断していた音です。息子の部屋のドアを開けて「さっきの絵、もう1回見せて」と言いました。息子が持ってきた絵には、3人が手をつないで並んでいました。来週もまたヘッドセットに手が伸びるだろうとは思います。でもあの絵の中の俺は、何も持たずに息子の手を握っていました。
(30代男性・システムエンジニア)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)


























