おしゃれと恋で もっとかわいく - ハウコレ
SP用検索ボタン
メニューはこちら

「かわいくなったね」と手のひらを返す同級生→ある男子がさらっと言った一言

コラム

手のひらを返す同級生に一言だけ返した直後、聞き覚えのある声が後ろから聞こえました。

あの教室で誰も言ってくれなかった言葉が、10年越しに届いた日のことです。受付で渡された名札には、卒業アルバムから切り取った丸い頬の写真が貼ってありました。

名札の写真と、あの頃の教室

卒業から10年、1度も同窓会には出ていませんでした。中学時代の私は、同級生たちの中でいじられる側でした。「ブス」。廊下ですれ違うたびにそう呼ばれ、周りの笑い声が聞こえてきました。中心にいたのは、いつも爪の長い、声の大きい同級生です。その子が口にすればみんなが笑う。それが教室のルールでした。高校に入ってからは関わりがなくなりましたが、鏡を見るたびにあの声が重なる時期が続きました。社会人になって自分なりにメイクを覚え、服を選ぶようになり、鏡の中の自分を好きだと思えたのは、ここ数年のことです。同窓会の案内が届いたとき、すぐに欠席に丸をつけました。でも、このまま避け続けるのは、あの教室にまだ座っているのと変わらない気がして、出席に書き直しました。

斜め向かいの視線

会場のテーブルについてグラスを手にしたとき、斜め向かいから視線がありました。あの同級生でした。ネイルの施された指でグラスの縁をなぞりながら、こちらを見ています。数秒後、席を立ってこちらに来ました。私の名札に目を落としてから、目を丸くしました。「久しぶり」「かわいくなったね」。隣の椅子を引いて、当たり前のように腰を下ろしました。「ありがとう」と返すと、「昔と全然違うじゃん」と笑いました。あの頃とは別の人に話しかけるような顔でした。周りの同級生たちも口々に「変わったね」と声をかけてきます。斜め後ろのテーブルから軽く手を上げた男子がいましたが、こちらには来ませんでした。名札がなければ通り過ぎていたかもしれないその反応が、不思議と嬉しくはありませんでした。

  • X
  • Line