おしゃれと恋で もっとかわいく - ハウコレ
SP用検索ボタン
メニューはこちら

「かわいくなったね」と手のひらを返す同級生→ある男子がさらっと言った一言

コラム

変わったもの、変わらなかったもの

2杯目のグラスに手を伸ばしたとき、同級生がまた隣に来ました。「ねえ、今度みんなでごはん行こうよ」。迷いのない声でした。返事を考えていると、同級生は少し離れたテーブルのほうを見て、声を落としました。「あの子、昔から変わらないね」。別の参加者の外見のことでした。笑う横顔が、教室の廊下で私を指差していたときと同じ角度をしていました。グラスを置いて、同級生のほうを向きました。「ありがとう。でも私、あの頃の私にも声をかけてくれる人と一緒にいたいかな」。同級生はグラスに目を落としたまま、自分の席のほうへ戻っていきました。

そして...

同級生が席に戻ったあと、後ろから声がかかりました。「何言ってんの、昔からかわいかったじゃん」。振り向くと、さっき手を上げていた男子がグラスを片手に立っていました。中学のとき隣の席だった子です。あの教室で、この人だけは「ブス」と呼ばなかった。それを、そのとき初めて思い出しました。「ありがとう」と返すと、彼は軽くグラスを上げて自分のテーブルに戻っていきました。帰り道、名札の丸い頬の写真を指先でなぞりました。捨てずに、財布のポケットにしまいました。あの子にも、ちゃんと気づいてくれていた人がいた。それだけで、10分でした。

(20代後半女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

HOT ITEM
  • X
  • Line