
昔いじっていた同級生が同窓会で変わっていた→声をかけた私は、帰りの電車でうつむいた
コラム
返ってきた言葉
2杯目のグラスに手を伸ばした彼女の姿が視界に入って、私は「ねえ、今度みんなでごはん行こうよ」と話しかけにいきました。間を持たせるつもりで、少し離れたテーブルのほうを見ながら、「あの子、昔から変わらないね」と口にしました。場つなぎのつもりでした。彼女はグラスを置いて、私のほうを向きました。「ありがとう。でも私、あの頃の私にも声をかけてくれる人と一緒にいたいかな」。声も表情も穏やかなまま、彼女はそう言いました。私はネイルの剥がれかけた薬指を反対の手で隠しながら、自分の席へ戻りました。
そして...
自分の席に着いたとき、男子の同級生がグラスを手に彼女のほうへ歩いていくのが見えました。「何言ってんの、昔からかわいかったじゃん」。中学のとき、彼女の隣の席に座っていた男子でした。彼女が小さく「ありがとう」と返すと、彼は軽くグラスを上げて去っていきました。あの男子は、教室で「ブス」と呼ばれていた頃の彼女のことも、ずっとそう見ていたのかもしれません。帰りの電車で、窓ガラスに映る自分の顔を見ていました。そして、名札の卒業写真をはがしてポケットにしまいました。私には、あの写真の子を「かわいい」と思えたことは、1度もありませんでした。
(20代後半女性・アパレル販売員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)


























