
婚約者の「式は挙げない」に、何も返せなかった俺
コラム
「式は挙げないので」婚約者が実家の食事会で口にしたその言葉に、俺は箸を止めました。3ヶ月間送り続けた猫のスタンプが、頭の中で色を失った日でした。
打ち合わせの合間、俺のスマホには婚約者からのメッセージが立て続けに届いていました。
式の話は、彼女に任せていたつもりだった
婚約者に結婚を申し込んだのは、まだ寒さの残る頃でした。式場探しは彼女がやってくれると言ったので、俺は仕事に集中していたのです。ちょうどその頃、担当プロジェクトの納期が迫り、残業が続いていました。
彼女から式場候補のメッセージが届いても、確認する余裕がないまま、いつも同じ猫のスタンプで返してしまいました。あのスタンプは「了解」の意味だと、俺は自分の中では思い込んでいたのです。
通知の数が増えていくのは、気づいていたのに
婚約者から「電話で予定を決めたい」というメッセージが届いた日、俺は取引先とのオンライン会議で頭がいっぱいでした。スタンプ1つで返信したのは、その場しのぎのつもりでした。翌日には別の案件が入り、週末は寝て過ごしました。
「一緒に決めたいって、何度も送ってるよね?」というメッセージにも、俺はまた例のスタンプで済ませてしまいます。頭の片隅では、後で全部読み直そうと考えていました。だが、そうしないまま、日々は流れていきました。
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実家の食事会で、婚約者が口にした一言

























