おしゃれと恋で もっとかわいく - ハウコレ
SP用検索ボタン
メニューはこちら

「マイバッグにお願いします」と言ったお客様が、詰め終えた袋を覗いて眉を寄せた理由

コラム

「もういいです、私がやります」と、お客様はレジ横のカウンターで袋を空けはじめました。詰め方に正解は1つではないのだと、休憩室に戻ってから思い返していました。

「マイバッグにお願いします」と言った女性のお客様が、袋を覗き込んだ瞬間に眉を寄せました。

いつも通りに詰めていたつもりでした

夕方のスーパーは、仕事帰りや保育園帰りの家族連れで混雑する時間です。私はレジパートを始めて3年になります。マイバッグを預かって詰めるのは慣れた作業でした。牛乳やペットボトルなどの重いものを下に、卵とパン、冷凍餃子は潰れないよう上に重ねる。パートを始めた頃に先輩から教わった手順を、無意識にたどっていました。

「あの、そうじゃなくて」とおっしゃいました

袋を受け取ったお客様は、中を覗き込むなり口を開いた後、少しの間をあけて「あの、そうじゃなくて」とおっしゃいました。「冷凍と常温は分けてほしかったんです」。淡々とした声でしたが、口調の奥に急いでいる気配が滲んでいました。「申し訳ありません」と頭を下げて詰め直そうとした私に、お客様は「もういいです、私がやります」と続け、レジ横のカウンターで袋を空けはじめました。次のお客様の視線を感じながら、私はレジを打ち続けるしかありませんでした。

  • X
  • Line