
同僚を田舎者だと笑った私が、試食会の帰りに頭を下げた理由
コラム
休憩室で、私は話題のカフェの紙袋を自慢げにテーブルへ置きました。カフェ向けの商品をつくる会社で、流行に詳しいことは仕事のリサーチでもあり、私の自信のよりどころでもあったのです。それがどれほど頼りないものか、まだ知りませんでした。
先に笑ってしまった
昼休み、人気のカフェの話題で、彼女が店の名前を知らないと答えました。その瞬間、私の口から出たのは「田舎者だから何も知らないんだね」という言葉でした。流行を知らなければ商品はつくれない、と本気で思い込んでいました。でも本当は、お店の名前の外側にあるものを、私は何も知りませんでした。流行の店の知識だけが仕事に役立つと思っていた私は、それを知らない彼女を簡単に判断してしまいました。
手を挙げられなかった
数日後の試食会で、部長がカフェ向けに開発中の、産地直送野菜を使った焼き野菜のプレートを前に言いました。「誰か、この産地のこと説明できる人はいる?」。味の理由を語れなければ、売り出す言葉はつくれません。私は資料をめくるふりをしました。流行の店なら並べられても、その店に届く野菜のことを語れる言葉が、私の中にはありませんでした。手を挙げたのは、彼女でした。
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私にはなかった知識
























