「お父さん、しょうゆ取って」パパと呼ばれなくなった俺が、娘の紙で知ったこと

コラム

中学に上がった娘が、食卓で初めて俺を「お父さん」と呼びました。その後、学校の紙を持って居間まで来た娘は、仕事の電話をしていた俺を見て、そのまま部屋へ戻ります。俺はその2つを、別々の出来事だと思っていました。

食卓で変わった呼び方

中学に上がったばかりの娘とは、休みのたびに2人で買い物へ出かけていました。その日も向かいの席にいた娘が、こちらを見ないまま言いました。

「お父さん、しょうゆ取って」

生まれたときから「パパ」だった呼び方が変わっていました。しょうゆを渡すと、娘は礼を言って食事を続けます。妻も何も言いませんでした。

中学生になったからなのだろうと思いながらも、それまでと違う呼び名だけが気になっていました。

渡されなかった学校の紙

しばらくして、2つに折った学校の紙を持った娘が、居間の入口に立っていました。そのとき俺は仕事の電話中で、「今月は忙しくて、休みが取れそうにないんですよね」と話していました。

顔を上げると、娘は紙を胸のあたりに抱えたまま部屋へ戻っていきました。

数日後、俺は「パパって呼ばなくなったな」と聞いてみました。娘の返事は、「もう中学生だし」だけです。俺はそれ以上聞かず、年頃だから距離を取りたくなったのだろうと考えていました。

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