
「母さんに教わってきてよ」と通った義母の台所で、私が最後に教わったのは煮物ではありません
コラム
「うちの人にも、おなじことを言われたのよ」
3度目に通った日、義母は鍋を見たまま言いました。
「うちの人にも、おなじことを言われたのよ」
義父から実家の味と違うと言われるたびに砂糖と醤油を足し、15年ほどかけて今の味にしたのだそうです。味を見ないのは、自分の舌を物差しにしなくなったからだと続けました。私が教わりに来たのは義母の味ではなく、義母が自分の味を手放していった順番でした。家に帰って教わったとおりに作って出すと、夫は1口で、
「これ、母さんのだ」
と言いました。私は、
「次からは、私の作り方に戻します」
と答えました。
そして...
夫はそれから、味の濃さについて何も言いません。私も、義母のノートを開かなくなりました。借りたエプロンは、畳んだまま棚に置いてあります。返しに行けば、また義母の台所に立つことになるからです。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























