
誤送信のあと、打っては消し続けた10分で残ったのは何だったのか?消した分は翌日、全部送りました
コラム
取り消そうとした時には、すでに読まれていました。それから10分、俺は打っては消し、最後に残った短い文だけを送ることしかできませんでした。
入力欄に文字を打ち込んだまま、スマホを手元に置きました。別の通知が鳴って持ち上げたとき、画面の右下が空になっていました。送るつもりのなかった1通が、彼女とのやりとりの中に並んでいました。
言われる日のことばかり考えていました
付き合って2年、彼女からの返事はここ最近、短くなっていました。予定の確認と、それに対する短い返事。会う約束も先延ばしになっていました。俺はそれを、別れを切り出される前触れとして読んでいました。言われたその場で取り乱さずに聞けるよう、その言葉を先に文字にして見ておこうと思ったのです。彼女とのやりとりの入力欄に打ち込んだのが「他に好きな人ができた」でした。読み返すだけのつもりで、送るつもりはありませんでした。取り消しの表示に手をかけた時には、読んだ印がもうついていました。消したところで、読まれたあとに消したことだけが残ります。
消した文が3つ、残ったのが1つ
「ごめん、今のは違う」。打ってすぐ消しました。何が違うのかと聞かれたら、続きを書けません。「これは俺が言われると思って打った文で」。これも消しました。書いたそばから、みっともなさが行間ににじんでいました。「最近、返事が短いから」。責めているように読まれると思って、また消しました。それ以上は打てず、残ったのが「間違えた」でした。送信を押した時点で、これでは何も伝わらないと分かっていました。
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返事のない画面を見ていました



























