
「もう少し待って」と2年言われ続けた合鍵。その理由を、彼の妹の口から聞いた話
コラム
封筒を前に、戻ってきた彼と向かい合って
戻ってきた彼は、テーブルの封筒を見て、飲み物の袋を提げたまま玄関に立っていました。私は座ったまま、向かいの椅子を目で示しました。
「この部屋の名義のこと、妹さんから聞いたよ」
「言ったら、頼りない男だと思われると思ってた」
「頼りないのは、黙ってたことのほうだよ」
彼は袋をようやく床に置き、順に話しました。転職直後に妹の名義で借りたこと。鍵を1本増やすには、契約者である妹から管理会社に申請してもらう必要があり、頼めば私に事情を話す流れになるので避けてきたこと。今は自分の名義に変えられるはずなのに、そのままにしていたこと。
私は2年間、この人に距離を取られていると思っていました。少なくとも、私を遠ざけたくて鍵を渡さなかったわけではありませんでした。彼が言えずにいたのは、自分の格好悪い部分だったのです。
私は「名義、ちゃんと戻して」とだけ伝えました。
そして...
翌月、彼は妹と管理会社へ行き、自分名義で契約し直す手続きをしました。手続きが終わったあと、彼は追加した鍵を1本、私に渡しました。
「今度は待たせないでね」
「うん」
その鍵は今、私のキーホルダーで自宅の鍵と並んで揺れています。
(20代女性・歯科助手)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























