
「俺だってゴミ出ししてる」と言う夫→その袋を結んでいたのは私でした
コラム
シンク下の扉を開けたまま
その日、夫はいつもより長く戻ってきませんでした。
玄関の音がして、出勤の支度に行くのかと思ったら、台所へ入ってきます。そして、シンク下の扉を開けました。中には、分別用の箱が3つ。ラベルをはがした瓶と、水を切った生ゴミを入れた小袋が並んでいます。
「これ、いつ分けてるの?」
扉を開けたまま、夫はこちらを見ずに聞きました。
答えるまでに、少し間が空きました。今さら聞くのかと思ったのと、ようやく聞いてくれたのかと思ったのが、同時に来たからです。
「毎回だよ。出す前の日に」
「上の階の奥さんと、ちょっと話した」
それだけ言って、夫は扉を閉め、着替えに行きました。何を話したのかは、聞きませんでした。今さら続きを説明する気にはなれなかったからです。ただ、扉を開けていた時間が、今までで一番長かったことだけは覚えています。
そして...
次のゴミの日の前日、夫が台所に立っていました。瓶のラベルを爪で引っかきながら、はがれないと言って眉を寄せています。
「次から、前の日から一緒にやる」
「うん」
私が答えたのは、それだけです。結び方が違うと言ったら、夫は黙って結び直しました。急に全部が変わるとは思っていません。分担という言葉が、この先どこまで広がるのかも分かりません。
それでも、玄関に置く袋を、二人で結んだ日が一日できました。まずは、そこからで十分だと思っています。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























