「うちは塾に行かせない主義なの」とママ友に言った私→本当は、階段で座り込んでいた息子の姿を話せなかった

コラム

奥の閲覧席に見えた姿

図書館の向かいにあの塾があるのは知っていました。それでも、広く席が空いているのはここだけです。

公園での会話からしばらくして、机の横をママ友が通りました。雑誌の棚へ向かう横顔を、視界の端で確かめます。息子さんの授業が終わるのを待っているのだろうと思いました。

私は赤ペンで問題集の端を指したまま、顔を上げませんでした。足音が遠ざかるまで、そのままでいました。

次の週も、奥の席にママ友の姿がありました。声をかけに行けば、あの言葉の出どころまで話すことになります。立ち上がる代わりに、消しゴムを動かす息子へ次の問題を指さしました。

そして...

その次の週、息子に表の続きを任せて、奥の席まで歩いていきました。

「この前は、変な言い方してごめんね」

「ううん。ここで一緒に勉強してたんだね」

「うん。うちは、このやり方が合ってるみたい」

階段の話は、この日も口にしないままでした。窓際の席へ戻ると、息子の表には赤い丸が1つ増えていました。

先日、別のママに塾のことを聞かれました。主義という言葉は使わずに、図書館で一緒にやってるよ、とだけ答えました。

(30代女性・パート)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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