
「お父さんへ。全部読んだ」娘から届いた返事。「お前へ」で始めた長文に、俺が込めたこと
コラム
最初にかけた言葉は「お前、ちっちゃいな」だった
メモ帳を閉じかけたとき、産院の廊下で娘の誕生を待った日のことが浮かびました。
生まれた日、腕に乗せた娘を見て口から出たのは「お前、ちっちゃいな」。名前は妻と何日も話し合って決めたのに、照れくさくて、呼ぶときはずっと「お前」でした。「お前はお前だろ」と打ったのも、本当はそのつもりだったのです。
「お前へ」「お前が生まれた日のことを覚えている」。廊下を往復したこと、名前のこと、最初にかけた一言。説教になりそうな行は全部消し、最後に「困ったら連絡しろ」とだけ書いて送信しました。
既読はなかなか付きません。やめてと言われた呼び方を見て、開かずにいるのかもしれない。麦茶を注ぎ直しては、チャットの画面を開き直しました。
そして...
しばらくして既読が付き、届いた返事は「お父さんへ。全部読んだ。困ったら、ちゃんと連絡する」。
娘に「お父さん」と書かれたのは、いつ以来でしょうか。「おう」とだけ返し、スマホを伏せます。言いすぎたと謝る一行は、まだ打てずにいます。
(50代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























