「私のほうが先に結婚する」と言っていた私→同期の結婚式当日、改札の手前で引き返しました

コラム

改札の手前で

式の当日、ドレスに着替えて駅まで来ました。

改札の手前で、披露宴の光景を思い浮かべてしまいました。同期のテーブルで拍手をしながら、自分はどんな顔をしているのか。笑っているつもりでも、彼女にだけは本心を見抜かれる気がしました。

ICカードをバッグにしまい、来た道を引き返しました。歩きながら打ったのは、短いメッセージです。

「ごめん、今日行けなくなった」

すぐに「わかった。無理しないでね」と返ってきました。責める言葉が1つもない返信を画面に表示させたまま、家までの道を歩き続けました。

同期のテーブルには、私の名札だけが残っていたはずです。

そして...

週明け、早めに出社して彼女のデスクに紙袋を置きました。中身はペアのマグカップ。添えるカードは何度も書き直し、結局「おめでとう」とだけ書いています。

彼女が席に着いてから、となりから声をかけました。

「式、行けなくてごめんね」

「ううん、来ようとしてくれてたんでしょ」

その一言に、うなずくのが精一杯でした。そのままパソコンの画面に向き直っています。

駅の改札まで行ったことも、彼との結婚の話が止まったままであることも、彼女にはまだ話せていません。引き出しの奥には、書き直したカードが何枚も残っています。

(20代女性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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