息子と別れた彼女へ、私が毎年年賀状を書いていた本当の理由

コラム

「最後」と書けなかった一言

結婚した人のもとへ、昔の恋人の母親から年賀状が届き続けるのは、負担かもしれません。今年で最後にしようと決めていました。

それでも、はがきに「最後」とは書けませんでした。書けば、彼女に返事の気づかいをさせてしまう気がしたからです。ようやく書けた一言がこれでした。

「もう、お正月にひとりじゃないわね」

嫌味に読まれないか、ポストの前でもう一度迷いました。投函口にはがきを落としたのは、買い物袋を持ち直してからです。

そして...

年が明けて数日後、彼女から返事が届きました。印刷の挨拶の下に、いつもより長い手書きの文が続いていました。お礼と、ご主人のこと。最後の一言を読んで、はがきを持ったまま台所の椅子に腰を下ろしました。

「来年も、出してもいいですか」

缶の中の返事は、これで5枚。来年どうするかは決めないまま、ふたを閉めずに缶を棚へ戻しました。

(60代女性・パート)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line