
「誰のおかげで暮らせてると思ってるんだ」と言う夫の前に、私が黙って置いた1冊の家計ノート
ライフスタイル
減った分を自分の欄に書き足しながら、半年分のページが埋まっていきました。夫がそれを読み終えるまで、流し台の前で待った数分のこと。振り返った先で聞いたのは、謝罪ではありませんでした。
振込の欄だけが減った春
結婚して3年、私はパート勤めで、生活費は会社員の夫が毎月共有の口座に振り込む決まりでした。その額が、春を境に3万円減りました。
理由を聞けば、責めているように聞こえてしまう。聞くことと責めることの区別が、あの頃の私にはつけられませんでした。そう思って、代わりにノートを1冊買いました。家賃、光熱費、食費。右端には「夫」と「私」の欄を作り、足りない分を自分のパート代から入れた月は、私の欄にその数字を書きました。
聞かない代わりに、書く。毎月それを繰り返すうちに、ページは半年分になっていました。
皿を重ねる音だけを返した食卓
食事の後、片づけの前にふと口にしたのが始まりでした。
「来月から、シフトを少し増やそうと思ってて」
箸を置いた夫が、こちらを見ずに言いました。
「誰のおかげで暮らせてると思ってるんだ」
言い返す言葉は、いくつも浮かびました。口に出す代わりに席を立ち、2人分の皿を重ねて流し台へ運びました。水を出している間に、夫は風呂場へ入っていきました。シフトの話は、夫を助けるつもりで出したものでした。
テーブルに戻り、ノートの最後のページを開きました。数字の代わりに、その日だけは文章を書きました。
「足りない分は私が出しています。聞かないでいたのは、言いにくいことがあるのだと思ったからです」
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読んでからでいいから


























