
喧嘩になる度に「俺の部屋だから」と言い続けた俺。彼女が荷物をまとめた日、初めて気がついたこと。
コラム
ただ、やり過ごしていた日々
契約更新の案内が届いたとき、彼女が封筒をじっと見ていたのを覚えています。何か言いたそうな顔をしていましたが、そのまま夕食の準備を始めてしまいました。
自分も、何も言いませんでした。更新するかどうか、ふたりで話し合うことすらしなかったのです。
彼女の様子がどこかよそよそしいと感じていたのは確かでした。でも、踏み込むのが怖かったのかもしれません。あるいは、向き合う必要があると、気づきたくなかったのかもしれない。
そして…
ある朝、彼女から話があると言われました。すでに新しい部屋の契約を済ませていること、引越しの日が決まっていること。落ち着いた声で話してくれました。
引き止める言葉が出てきませんでした。何か言おうとしても、自分が積み重ねてきたことを思うと、言える言葉が見当たりませんでした。
荷物が運び出された部屋は、広くなったわけでもないのに、ひどく空っぽに感じました。
「俺の部屋」と言い続けた場所に、ひとりで残されて、初めてわかったことがありました。
一緒に暮らすということは、どちらかが「ここにいてもいい」と許可するものではない。それは、ふたりで同じ場所に立つことだったのだと。
(20代男性・自営業)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
























