
あいつの企画を「レベルが低い」と笑った俺が、掲示板の前で動けなくなった理由
コラム
後輩でも先輩でもない、同期。だからこそ負けたくなかった。あいつの企画を馬鹿にした本当の理由を、俺はずっと自分に隠していました。
覗き込んだ画面
社内コンペの募集が出たとき、俺も応募するつもりでいました。企画のネタはある。あとはまとめるだけだ、と。そんなとき、隣の席のあいつが昼休みに企画書を作っているのが目に入りました。
画面を覗いて、最初に感じたのは焦りでした。切り口が、俺が考えていたものと似ていた。でもそのときの俺は、焦りを認める代わりにこう言ったのです。
「お前の企画なんて通るわけないだろ」
そして「レベルが低い」と笑いました。あいつは何も言わずに画面を閉じました。
止めたかった本当の理由
数日後、俺はまた声をかけました。「恥をかくだけだぞ」「誰に見せたって同じこと言われるよ」最後に「今回のコンペ、出すのやめたら?」と言いました。
心配しているふりをして、本当はあいつに出してほしくなかった。俺より先に評価されるのが怖かったのです。
あいつは結局何も言い返しませんでした。それを「効いたな」と思った自分がいました。でも、退勤後にあいつのデスクのモニターがついているのを何度か見かけていました。
見て見ぬふりをしていたのは、その努力を認めたら自分の怠慢と向き合うことになるからです。
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掲示板の前で
























